三人は
UFOに乗り込んで
北の都市を後にした
鏡が指して示すのは
空の方角だった
コロニー式の
階層構造だから
方角なんて
あったもんじゃないね
こんなに青い空だから
そのうち宇宙に
着いちゃったりして
地底だけれど
テンムスとタヅクリは
ダンジョウの言葉を
上手く理解が出来なかった
ダンジョウは
窓の外から
北の都市を見下ろした
海の真ん中に
ポツンと佇む
島国のようだ
自分の生まれ育った国に
どこか似ていると思った
なんだか
人の形をしているみたいだ
この先に西の都市の
正門があるはず
けれどもこんな乗り物じゃ
真っ先に怪しまれるわね
テンムスは
冗談混じりに鼻で笑った
もちろん門の前は
迷宮防壁なんだけれどね
ダンジョウは
窓の外を見た
迷宮なんて
どこにも無いじゃないか
もう入っているわよ
── いつの間にか足を踏み入れている、地底帝国の詩。