ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

出口のアメーバ【9-1-4】

なんだこりゃ

先頭のゾニィは

後続のダンジョウたちを制止した

何かいるの

こりゃアメーバか何かだな

迂闊に近づかない方が良さそうだぜ

なんたって

ダクトが溶けているんだからよ

水のにおいって

これだったのテンムス

そうだったのかも知れないけれど

この先には確かに水の気配があるわ

どうすりゃいいんだよ

ダクトは狭過ぎて

永久にゾニィが先頭だよ

勾玉を当ててみるか

ゾニィは注意深く

勾玉の光を

アメーバへ当ててみた

すると

それに反応したアメーバは

襲い掛かって来た

ゾニィ

勾玉を早くしまうんだ

光の刃を仕舞うと

アメーバはピタリと

襲い掛かるのをやめた

ダクトの出口に居るってことは

やっぱり熱を好んでいるんだ

勾玉の光はビームと同じだから

起動した瞬間に飛びついてしまう

チクショー

どうすれば良いんだ

わたしに良い考えがあるわ

ゾニィとダンジョウは

前に居るため

彼女の顔を見ることは

出来なかったが

テンムスの声は

確かな自信に満ちていた


── 確固たる自信、地底帝国の詩。