ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

扉もどき【7-3-1】

この扉は恐らく

何らかの生き物だったに

違いない

心力を感じ取ることが

出来たのも

その所為だろう

ただ元が何の生き物だったかは

恐ろしすぎるので

考えないでおこう

扉は絶命したようで

べろべろに床に野垂れた

しかしその先に

部屋のなかは見えず

壁が一面に拡がっていた

どういうことだ

この扉はニセモノだったのよ

しかしここしか入り口は見当たらない

まずい誰か来るぞ

テンムスたちは

野垂れた扉の裏に隠れ

脅威が過ぎるのを待った


── 部屋の入り口はどこだ、地底帝国の詩。