ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

生体実験室【7-1-3】

ダクトは

生体実験室へ向かって

伸びている

ダンジョウとギロチヨ

その他の構成員は

息を潜めながら

道なりに進んで行った

ダクトの先から

部屋のなかを

観察してみると

人の気配はない

降りてみる

気をつけろよ

ダンジョウは先陣を切って

生体実験室へ降り立った

培養液のようなものが入った

カプセルのなかには

様々な実験体が眠っており

殆どは元人間と思しき

姿形をしていた

部屋は独特の実験試薬のような

においが立ち込めていた

ダンジョウはこの手のにおいは

苦手だった

ダンジョウが手招きすると

後続のギロチヨたちも

部屋に降りて来た

しかしながら懸念点としては

部屋の至るところに

横たわっている

改造途中の人間たちが

起きないかどうかということだった

うわっ

ずるっどてっ

と大きな音を立てて

構成員のひとりが

溢れていた培養液で滑って転んだ

すると

眠っていた改造人間のひとりが

目を醒まし

断末魔のような叫び声を上げた

どうやら麻酔が切れたようだった

まずい見つかるぞ

空いているカプセルがないか

確認すると何個かあったので

ダンジョウとギロチヨ

構成員のひとりが入ったが

他は空いていなかったので

あとの構成員は

ダクトへ帰るよう指示した

外から研究員たちが

慌てて部屋に入って来た


── 混沌とした状況、地底帝国の詩。