ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

ぐらつく足場【5-1-3】

ダンジョウは足場に着くたび

悲鳴めいた声をあげては

また次の足場へ飛んだ

そんなことをしているうちに

心力は底をつきかけ

彼の顔には目に見えて

疲労の色が浮き彫りとなった

しかしながら

こんなところで

休むわけにはいかなかった

最も

足場が休ませてはくれなかった

気合いで心力を持たせていたが

それもとうに限界を超えていた

ダンジョウの疲労に比例して

足元は一段と険しさを増していた

初めは広かった足場も

徐々に狭まっていった

終いにはエネルギー弾のようなものまで

足場に撃ち込まれるようになった

ダンジョウは

勾玉光輪を盾にしたり翼にしたりで

目まぐるしく動いていた

それでも落ちずにやり過ごしていた

このままだと本当に

心力が尽きてしまうので

一か八かある作戦を

実行しようとしていた


── やるかやられるか、地底帝国の詩。