ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

競争社会【5-1-2】

師範代のクズキリを含めた四人は

先の見えない崖の山を

ひたすら上に進んでいた

ダンジョウは先ほど

心力を消耗したせいか

若干疲労が溜まっていた

頂回復しようと思ったが

その場に留まっては

皆に置いてかれてしまう

少し悩んだ挙句

そのまま進むことを決めた

皆はどうしているのだろう

とても疲れている風には見えないし

頂回復している気配もない

地底人と地上人では

身体の仕組みが異なるのだと

自らのなかで妙に

納得してしまった

今度は切り立った道などではなく

立ったらぐらついて

落ちてしまうような

不安定な足場だった

周りのふたりは

難なく飛んで渡っている

しかも勾玉光輪を使用せず

早く行かないと

足場が無くなってしまう

焦ったダンジョウは

余力など省みず

すぐさま光のプロペラを起動した


── 焦りは禁物、地底帝国の詩。