ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

勝気な双生児【4-1-1】

カメレオン型の腹部から

勢いよく飛び出したふたりは

自らの四倍以上もの体格の

祭壇警備の傭兵へ

果敢に立ち向かって行った

彼らもまた

勾玉光輪を手にしていた

双子なのか

顔も似ており

背格好も同じくらいだ

しかしながら

ふたりでひとつの

勾玉光輪を

駆使して戦う

独特な戦法だった

それはまるで

地上の中華拳法のようだった

傭兵の巨大な光輪が

ふたりの光輪を

直撃しようとしたとき

それは真っ二つに割れ

それぞれが片手に

光輪の片割れを構えた

何をぼさっとしている

早く物陰に隠れろ

双子は交互に言うと

傭兵の頑強な鎧の

脆い部分を仕切りに

攻め立てながら

着実にダメージを

与えていった

ダンジョウは

残る心力を振り絞り

カメレオン型の能力を

発現させ

物陰に身を潜めた


── 強力な助っ人、地底帝国の詩。