ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

理由説明【14-4-4】

 署の物品整理の時

 コヴさんの机の

 鍵のかかった部分が

 UFOが突っ込んだ衝撃で

 壊れて空いてたんだ

 そんで

 偶然見つけちまったんだよなぁ

 モルフェンが

 大量に入ってたのを

 そっから俺は独自に捜査してたんだ

 まずアンタの身内から洗いざらい探して

 辿り着いたんだ…

 公安上層部は真っ黒だった…

 裏で蛮三會と手を組んでたんだ

 コヴさん…

 俺はアンタとウナージュだけは信じていた  

 んだぜ…

 

 そんな…

 公安が真っ黒だなんて…

 じゃあわたしは今まで一体何のために…

 


 まぁ、こんな短期間で

 よくも調べたもんだ

 きみの泥のような粘り強さには

 恐れ入ったよ

 私はね、

 このイタチごっこ

 嫌気が差したんだよ

 ミイラ取りがミイラになるとは

 よく言ったものだが

 それもまぁ

 悪くはなかったよ

 寧ろ

 この醜い現実を

 煌びやかな白昼夢に

 変えさせてくれるからね

 この悪夢のような現実に

 何の意味がある?

 このなかで生きていて

 何か得することでもあったか?

 私はほとほと疲れ果てた

 

コヴは

ウナージュに突きつけた

半度丸の引き金を

引こうとしたが

それよりも早く

シャッケイの半度丸が

火を吹いた

 


 射撃の腕は

 俺の方が上だ!

 


コヴの半度丸は吹き飛ばされ

ウナージュが解放された

 


── 日頃の鍛錬がものをいう、地底帝国の詩。