臨戦熱戦【13-4-4】

衣装屋微笑では

店主と公安警察ふたりの

戦闘が続いていた

こいつモルフェンを

使用している

けれどもそれだけではないな

ウナージュは

麻薬による身体能力強化の

可能性が感じられたが

単にそれだけではないことも

確信していた

モルフェンを使用することで

人間の第六感以降の能力が

強化されることが多々あるが

身体能力が

ついていかないことも多いのだ

先ほどから店主の身体から

所々血が噴き出しているが

痛みを感じてないかのように

眉ひとつ動かさなかった

これじゃあ埒が開かないわ

ウナージュが

店の入り口に近づいたとき

硝子のショゥウィンドゥを

突き破り

ダンジョウたちが

なだれ込んできた

その様はまるで

酔拳さながらだった

店主は突然の奇行に

反応出来なかったようで

目を回したダンジョウの拳を

まともに顔に食らった

店主が倒れるとともに

店内は何事もなかったように

静まり返っていた

── 危機は脱した、地底帝国の詩。