ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

麻薬捜査【13-3-3】

ウナージュは

食い逃げ犯の荷物のなかから

透明な小さい袋を

手に取った

地上のビニール袋に

一見見えるが

これは動物の

内蔵で出来た袋だ

その袋に入ったものが

なんなのか

彼女はすぐさま

察知した

これは違うんだ

入っていたんだ

いつの間にか

いつの間にか

麻薬が入ることが

果たしてあるのかしら

ダンジョウたちも

駆け寄って来て

白い粉を

物珍しそうに見ていた

これ美味しいの

ダンジョウが聞くと

ウナージュは

血相を変えた

こんなものは

食べ物なんかじゃないわ

ましてや味わうものですらね

ダンジョウは

いきなり豹変した

彼女に戸惑いつつも

良くないものと理解した

ほほう

やっぱりわたしの勘は

間違っていなかったな

街にはやはり

手掛かりが落ちておる

コヴが感心しながら言った


── 見つかる手掛かり危険の香り、地底帝国の詩。