ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

老婆と少女【11-3-4】

老婆と化した

テンムスとシルヴィ

黒ずきんの正体は

司祭パウンドの

副官のひとり

フィナンシエだった

シルヴィはまだ

階段の中腹で

倒れ込んでいた

脚が攣っている

痛い

テンムスも立とうとしたが

脚の筋肉が

痙攣して立つのに難儀した

エネルギーを使ったせいなのか

やたらと汗が滲んでいた

手のひらは

びっしょり

汗が滴っていた

あはははは

このまま動けなくなって

ここで朽ち果ててしまえ

朽ち果てる

テンムスの耳に

その単語がこびりついて

離れなかった

朽ち果てる

朽ちる

枯れる

喉が枯れる

喉が渇いている

水分

動けなくなる

ヤツも動かない

テンムスは間もなく閃いた


── 老化を防げ、地底帝国の詩。