外に出てしまった
男を追いかけて
ぼくもまた
外へ飛び出すと
男はもうすでに
数メートル先を
すたすたと
歩いていた
ぼくは走って追いかけて
やっとのことで
肩を並べて
歩くことが出来た
そう安心していると
またすぐ置いてかれて
しまうような歩幅で歩くので
ぼくは必死こいて歩いた
大きな川沿いの道へ出ると
男は途端に目についたらしい
ベンチへと腰を下ろした
ぼくも同じく腰を下ろして
パンを寄越したのは
一体どういうつもりか
問い詰めた
男は手に持ったパンを齧りながら
静かに笑って言った
── 男の放った、言葉とは。