雲の上の 景色を見たら 霧がかった こころの窓にも 眩い陽射しの 線が差した また霧がかかったら 大きなうちわで 煽げばいい それでも霧が晴れぬなら いっそのこと 霧になってしまえ ── 何かひとつは、良い方法が見つかるはず。

水平線をぼかす 靄の向こう側 そこだけ別の世界へ 繋がって(い)る ゆっくり進む船は そのまま帰って 来ないだろう 忙しなく 飛びたった烏も そのまま帰って 来ないだろう 宙を舞う 感情を丸めて 靄の向こう側へ 投げてみよう ── 旅立った者だけが知る、おと…

洗濯ばさみの カモメが一羽 わたあめの合間を縫って 飛んでいる 波ひとつ立たぬ海は 今日も電気で染まって(い)る ゼンマイ仕掛けの おもちゃの船が たった今 港を出て行った 言葉では 伝えることの出来ぬ 感情を載せて ── 水面を伝わる、非言語コミュニケー…