一瞬

無数に流れる

フィルムの羅列は

自分の意思に反して

早くなったり

遅くなったりする

時間という概念は

あくまで概念たるものであり

実際には

存在し得ないものであると

このフィルムの羅列は

教えてくれる

すべての一瞬が

フィルムのひとコマであり

すべての一瞬が

僅かに形を変えながら

同時系列で

延々と続いている

あなたはどの一瞬も

選ぶ権利を持っている

── 映写機の回転で、速度は変わってゆく。