ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

夜間飛行の準備

ぼくらはこれから

夜間飛行の準備をする

南の町の

工場の閃光に向かって

鳥目をぎらつかせて

ステルス戦闘機のように

誰にも見つからず

静かに夜空を飛ぶんだ

ボロボロの羽でも

飛べるだけまだましさ

翼が折れたら

元も子もないんだから

ぼくらはこれから

夜間飛行の準備をする

やっと手に入れた

ボロボロの翼をひらげて

 

── 長い、長い夜間飛行のための準備。