ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

2021-10-24から1日間の記事一覧

夜霧の女王

薄いベールに覆われた 儚げな顔の 夜霧の女王 夕闇に畏れを失くし 戸惑いながら 夜を彷徨う 月光の スポットライトを浴びて 太陽が目を醒すまで 忘れられた子守唄を ひとり静かに 歌い続ける ── 静かな夜に、思い出すのは。

真昼の王様

太陽冠を頭に載せた 真昼の王様が 街を闊歩する 仕立て屋の選んだ 一張羅に身を包み 満面の笑みで 闊歩する 一張羅自体は 目には見えない 素材のようだ ── 自身をもって外へ出たなら、何も恥じることはない。

朝靄の王子

夜明けとともに 立ちこめる 朝靄のなかに 佇む王子 こころの弱さを 隠すように 悲しい気持ちを 紛らわすように 仕切りに靄を 手で探っている 恥ずかしがることなんてないさ 昼にはきっと 胸を張って 外を歩いているよ ── 弱いところも、許してあげる。