ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

地底の世界【7-4-2】

きみたちの住む世界が

退化している世界ならば

我々の住む世界は

まるで監視社会そのものさ

高度な技術が人を不自由にするのは

どの世界でも同じだ

どこにいても

誰かに見られているような

感じがしてならない

もっとも

中央都市部に住む連中の

一族なんかは

どんなものでも見通す目を

持っているそうじゃないか

あぁどうやらそのようだな

ギロチヨは静かに呟いた

監視カメラなんかなくたって

我々の行動なんかお見通しなのさ

その時だった

ダンジョウにテンムスからの

テレパス通信が入った

ゾニィが研究員たちに捕まった

多分無事だとは思うのだけれど

今わたしたちよりも上の階に居たわよね

鏡の部屋の上から入れないから

試してみて欲しいの

えっでもロックのかかった

入り口があったんじゃ

あれはニセモノだったは

横からの入り口は

どこにも見つからなかった

あとは上か下かなのよ

わたしたはこのまま

下層へ降りるわ

どうなっているんだ

探し物のブツに関しては

我々にさえ教えられていない

他に関与しているモノたちが

いるかもしれないから

気をつけた方がいい

ご忠告ありがとうアサツキさん

そしたらぼくらは

このまま上の階へ向かおう


── 真の入り口はどこにあるのか、地底帝国の詩。